2023/07/26 12:51

お盆の前になると、キュウリやナスに割り箸などで足を生やした置物を見かけますよね。
お盆のお飾りの1つである「精霊馬(しょうりょううま)」や「牛馬」と呼ばれており、
割り箸などの足が付いているのは、
キュウリを馬、ナスを牛に見立てているためです。



◆ 精霊馬って?


ご先祖様がお浄土と現世にあるご自宅を行き来する時に使う乗り物のことを
精霊馬、といいます。

なぜ「キュウリ」と「なす」なのか。。

お盆の時期が旬で収穫量が多いということが人々に選ばれた理由と考えられています。

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●キュウリ→精霊馬(迎えの馬)
ご先祖様が足の速い馬に乗って、はやく戻ってこれるように

●ナス→精霊牛(送りの牛)
ご先祖様が足の遅い牛に乗って、お土産と一緒にゆっくり帰れるように
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※地域によっては、キュウリとナスが逆の意味を持つところもあるそうです。


精霊馬は、キュウリやなすである必要はありません。
高温の地域では、腐ってしまったりするので、最近では藁や布で出来た精霊馬もあります。


◆ 精霊馬の飾り方

主な置き場所は、お仏壇の前に準備している盆棚や台の上です。
家の慣習や地域によって異なることがあります。

一般的な盆棚に置く場合の精霊馬の飾り方があります。
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①キュウリ(精霊馬)とナス(精霊牛)を向かい合わせる

迎え盆ではキュウリとナスを向かい合わせにしてお仏壇の方に向け、
送り盆の際はどちらもお仏壇を背中にして外向きに置く。
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②キュウリ(精霊馬)をお仏壇へ、ナス(精霊牛)を外へ向ける

キュウリはお仏壇の方、ナスは家の外や玄関の方に向け、迎え盆や送り盆では向きを変えずに置き続ける飾り方。
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③キュウリ(精霊馬)を西へ、ナス(精霊牛)を東へ向ける

ご先祖様は東から戻ってくるという考えから、キュウリは西、ナスは東に向けて置く。
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お盆が終わったら

古くからの風習では、川に流したり、お盆飾りと一緒に燃やしたりして精霊馬を送り出していましたが、現代では川や海へ流すことなどが規則に違反してしまう可能性があります。

現在では、

●精霊馬を塩で清めた後に半紙で包み、可燃ごみとして処理をする

●送り火に入れて、ほかのお供え物と一緒に燃やす

●ご自宅に庭があれば、埋めて自然にかえす

●近くのお寺に持っていきお焚き上げをしていただく



亡くなったかたが、あちらの世界でも幸せに暮らせますよう、
年に一度のお盆に、寄り添ってみてはいかがでしょうか。